第3話 新聞やテレビに出ることだけが広報ではない!

 

 昔は大企業の広報部がプレスリリースを発信して、新聞やテレビといったマスメディアに取り上げてもらっていました。それは今も変わりませんが、最近では中小企業も情報発信できるようになった結果、マスメディアに取り上げられる機会が増えています。

 

 ネット検索すれば、プレスリリースの書き方を教えるサイトはたくさん存在します。アマゾンを探せばプレスリリースの書き方に関する書籍はたくさん刊行されています。中小企業でも自力でプレスリリースを書いて、情報発信できるような環境が整ってきたのです。

 

 ただ、中小企業がマスメディアに対して情報発信することの弊害として、新聞やテレビに取り上げてもらうことだけが「広報」であると勘違いしている人が多いです。

 

 結論から言えば、新聞やテレビに取り上げてもらうことは「広報」の一部分であり、それがすべてではありません。

 

 

 例えば、自社ホームページ(通販サイトを除く)の運営も「広報」の一部です。訪問してくれた方に役に立つコンテンツを掲載する。それを定期的に行うことでファンを増やしていくことも「広報」なのです。

 

 リアルな活動として、展示会に出展することも「広報」になります。新製品も含めて自社製品を並べますが、まずは来場者に興味をもってもらい、活発なコミュニケーションを行うことを目的にしているはずです。いきなり営業することは有り得ません。つまり、自社と製品を「広報」しているわけです。

 

 さらに、既存のお客様に対して、紙媒体の会社通信(ニュースレター)を送付している会社がありますが、このような取り組みも「広報」になります。ネットが普及する前は、会社通信を送って新しい情報をお知らせする会社が多かったと思います。紙媒体は形として残りますし、封筒を開けるとすぐに見ることができるというメリットもあります。今でもやっている会社は多いと思います。

 

 

 このように、新聞やテレビに取り上げてもらう活動以外にも、ホームページの運営、展示会の出展、会社通信の送付といったことも「広報」になります。「広報」という名前のとおり、広くお知らせするためには広い視野と様々な手法を柔軟に使うことが必要です。マスメディアにプレスリリースを送ることだけが「広報」ではないのです。

 

 ちなみに、中小企業では殆どありませんが、大企業では「記者会見」も主要な広報活動になります。社会的責任が広範囲に及ぶ大企業の場合、顧客や利害関係者、場合によっては国民各層に対して良いことも悪いこともお知らせする義務があります。

 

 特に悪いお知らせを伝える時に会社としての姿勢や本音が明らかになります。記者会見の問答で評判を落とした会社もたくさんあります。会社がピンチの時には、社長が記者会見の最前線に出て真摯に伝えることが必要です。

 

 大企業の社長や役員は定期的なメディアトレーニングをやっておく義務があります。たった一言で会社の評判や株価に影響を及ぼすかもしれないからです。

 

 

 大企業や中小企業を問わず、様々な手法を通じて、自社や製品に興味を持ってくれた方との良好な関係性を構築し、それを維持・発展していく活動のすべてが「広報」なのです。